盲導犬はかわいそう。そんな意見を聞くこともあります。
私は、パピーウォーカーをしようと思う前まで盲導犬について、とにかく人の役に立ってる賢くてしっかりした犬ですごいな、とは思っていましたが・・正直、良いも悪いも深く考えたことがありませんでした。
盲導犬はかわいそうという発想もなかった。だから、そんな意見をもっている方々はとても盲導犬のことを考えているんだと思います。
意見についてはもちろん人それぞれで、賛成派も反対派もいることは当然のことだと思います。深く考えていなかった私なんかよりずっとすごいです。
でも今はパピーウォーカーをしてみて、盲導犬のことについて色々知りました。
その上で、私の意見をここに書いておこうと思います。
盲導犬はかわいそうなのか?
私個人の意見としては盲導犬がかわいそう、と盲導犬について知った今でも思いません。
反対派の方の意見ももちろんわかるの部分もあるのですが、なぜかわいそうと思わないのかいくつか理由があります。
レトリバーは人が大好き
とにかくレトリバーは人が大好き!という理由から、いつもいつも誰かと一緒にいられる盲導犬候補生として生まれてくることは決してかわいそうではないと思っています。
パピーウォーカーも、キャリアチェンジ犬もそうですが、留守がちにしない家庭であることが一つの条件となっています。

たとえペットとして飼われていても、仕事をしている家だったり用事があったりで留守にすることは多いかと思います。
もちろんパピーウォーカーも少しづつ留守番には慣れさせていきます。一人で過ごす時間もありますが、この点では盲導犬候補でもペットでも一緒なんじゃないかと思います。
人好きは赤ちゃんの頃からの本能だと思う
そしてこの人好きは赤ちゃんの頃からです。
生後約2ヶ月でパピーウォーカーの家にきますが、初めはちょっと訳わかってなさそうですが(笑)生後3ヶ月になる頃にはどうみても人好きな犬です。
必ず誰かがいればそこに来ますし、遊ぶ時も我が家のパピーちゃんはおもちゃを取りに行ってこっちに持ってきてそばで遊びます。
盲導犬としての基礎を育てるために、人や他の動物がいても無視できるようにしつけはしていかなくてはいけませんが、とにかく人が大好きなんだなと感じます。
しつけは必要だけど
盲導犬候補生として生まれてきたので、普段の生活でも盲導犬を目指すためのしつけはあります。
例えばトイレは人のタイミングでだったり、飛びつきはダメと教えたり・・と言った具合です。
ここがパピーウォーカーとして難しかった部分でもあったのですが、じゃあ盲導犬はかわいそうなのかというとそれは違うかなと実際に育てている間も感じていました。
家庭犬であっても他の動物や人に飛びついてはダメだし、ある程度しつけはします。
自由な環境で過ごす犬もいるでしょうが、盲導犬としてのしつけは「しつけ」であって「拷問」ではありません。
パピーウォーカーと盲導犬パピーは長い時間をかけてしつけをしていくので、それが当たり前となって過ごしてくれるようになるんだと思います。
訓練はまた違った、盲導犬としての訓練をすることになります。そして盲導犬になったらお仕事をしながら生活することになります。
が、人も仕事に生きがいを感じる人がいるように、人が大好きな犬にとって大好きな人の役に立ってずっとそばにいられることは決して辛いだけのものじゃないと思っています。
飼い主となる人は何度もかわるけど
盲導犬候補生として生まれた犬の飼い主は何度も変わります。
お母さん犬と繁殖ボランティアさん・パピーウォーカー・訓練所での生活・キャリアチェンジ犬ボランティアさん・盲導犬利用者さん・引退犬ボランティアさん・・など
その子がどのような進路になるかわかりませんが、最低でも3回は変わります。
変わるけど・・どの家でも大切に育てられるのには変わりないです。
居場所がないから飼い主が変更されていく訳じゃありません。それぞれの立場での受け入れを望んでいる方の元にいくので、愛情をたくさん受けて生活していきます。
体調管理・ケアは万全
盲導犬候補生は体調管理として定期的に診察や訓練所の担当さんによるケアがあります。
パピーウォーカーの期間中はかなり手厚く見てもらえていました。
ワクチンの時、訪問の時、パピークラスの時などなど月に一度は見てもらえる機会が必ずあります。
パピーウォーカーとして見ているだけでは気づかないことも、何頭も見ている担当さんがみると気づいてくれる変化もありますし、逆に日々過ごしているパピーウォーカーの気づきを担当さんに伝えたり、獣医さんに相談したりもできます。
爪切り一つみても、会えばいつでも切ってもらえるしなかなか手厚く健康管理はしてもらってる印象でした。
パピーウォーカー期間以降のことははっきりわかりませんが、盲導犬になればいつも誰かのケアを受けてずっと過ごしていくのだと思います。
仲間も大好き
パピークラスとかで兄弟たちや他の犬に会う機会がありますが、やっぱり仲間は大好きですね♪
兄弟同士のはしゃぎあいは犬社会のお勉強ということである程度見守るのですが、激しく絡み合いつつも怪我はしない感じでお互い遊んでいます。
性格もあるのでなんとも言えない部分もありますが、そんな姿をみていると、訓練所での生活になっても仲間同士で楽しく過ごしていくんだろうなーなんて想像できます。
犬の個性にあった進路
盲導犬候補生として生まれたからといって、無理やりにでも盲導犬になるわけではありません。
パピーウォーカー期間後、その子の個性をみながら進路は決定します。
もちろん一定期間だけをみて判断されるのではなく、いったん盲導犬候補として訓練所に入っても、いつも適性はみているということです。
そして、盲導犬候補として訓練所に入らなかったとしても、それはダメな子という認識ではありません。
盲導犬としての適性がないだけで、その子の個性を伸ばしていける方向へと進路を変えるのです。
なので無理やり盲導犬を育てるのではなく、盲導犬として過ごしていけると判断された子が盲導犬になります。
人の役に立つのが大好き
素直に、赤ちゃん時代から褒められると嬉しそうにしています。
我が家のパピーちゃんは性格的にあまのじゃくな部分があって、褒めても素直に喜べなさそうだったけど(笑)
しっぽをフリフリして、「そうでもないけど〜?」な雰囲気を出しながら喜んでいました。
人の役に立つことも大好きなんだろうなって感じることができるシーンは何度もありました。一緒に過ごしてみると、盲導犬になっても幸せなんだろうなって思うことがよくありました。
訓練中も愛情たっぷり
訓練は厳しいだけのものではありません。職員さんが手厚く世話をしながら、盲導犬としての知識を身につけていきます。
訓練中でもたくさんのケアをしてもらい、いっぱい触れてもらい、お部屋も清潔にしてもらって毎日を過ごします。
訓練士さんとの絆もすごいものだと思います。
盲導犬は寿命が短いからかわいそう?
盲導犬は寿命が短いというのを聞いたことがありませんか?それについてはこちらの記事にまとめています。

まとめ
盲導犬はかわいそうという意見について、私なりの考えをまとめてみました。
意見は色々とあると思うし、訓練所やボランティアさんや利用者さんの個性などもあるので、必ず思いえがいたようになるとは限りません。
でもパピーウォーカーをして、盲導犬について色々知ってから良い部分がたくさん見えたのも事実です。
しつけなど盲導犬ならではの事もあり、難しさも感じましたが、みんな犬のことを考えながら過ごしているのをみると、やっぱりかわいそうだとは思わない私です。
コメント